氷山モデルって聞いたことありますか?
当塾では、氷山モデルをベースに各種課題を考えていきたいと考えています。
氷山モデルとは以下の図のようなものです。ポイントは、氷山の上に見えるものは「誰にでも見えるもの」であり水中に沈んでいるものは意識しないと見えないもの。大切なことはこの見えない部分に本質があり、そこには複層構造があり、上から「パターン・トレンド」→「構造・要素」→「メンタルモデル(価値観・思い込み)→「コア」という全部で5層からなる構造だとする考え方です。米国発の「システム思考」の概念を参考にしています。
ここで1つわかりやすい氷山モデルを考えてみますね。「カラオケの選曲」です。自分がカラオケで選曲する歌には何か共通点がないですか?先ずは氷山の一角ですが、これは選んだ曲で、周りの人からもわかります。2層目ですが、人には選曲パターンがあります。悲しい曲が好きとか元気が出る曲とかのパターンです。3層目は、そのパターンを構成する要因を考えます。それは歌詞のどういう点をより重視しているのか、それとも曲の調べのどういう点を重視しているのか、です。4層目は、では歌詞を重視しているならどんな価値観につながるメッセージ性(喜怒哀楽)なのか、また曲の調べならどんなリズム性(音感ー喜怒哀楽やテンポが強弱遅速)を大切にしているのか、というレベルです。そして最後の5層目ですが、これは「コア」と呼ばれています。つまり、4層目のメンタルモデルに行き着く根本原因をさします。好きな歌詞のジャンルやメロデイにつながる過去の体験(親からの愛情の有無、生い立ち、試練や辛い経験など)を指します。どうでしょう、こう考えると面白くないですか? 但し、これはあくまでも1つの例であり、当然ですが、絶対的なものではありません。
氷山モデルは5層に分かれていますが、各層がはっきりと分かれているというのではなく、上下の層が互いに影響(因果関係)しあっているので下図のように、上下の⇄で表示しています。
このコアという部分が、本質であり根源であり、ミッション発見においての最深部、つまりミッション動詞と強みが潜んでいる部分、という考え方です。経験や試練は実際に体感できるものです。その中で自分が没頭(時間やお金やエネルギーを費やしたこと)体験したことを思い出します。なぜ没頭できたのかを自問自答します。何が自分をわくわくさせたのかを深掘りします。さらになぜ自分はそれがわくわく感じるのかを深掘りするために、自分の価値観や良心、一体何がしたいのだろうかと自問自答を繰り返しながら、玉ねぎの皮を剥くように芯に迫っていきます。このレベルがメンタルモデルの可視化です。そして最後はメンタルモデルを構成するようになったコアに迫ります。ここは自分の意識ではほとんどアクセスできないので、無意識から引っ張り出すための特別な質問プログラムや世の東西にあるツールを駆使しながら第三者の視点から引き出します。そこで重要な点は、自分の直観であり「想起」という感覚です。「なんとなくそんな気がする」など、「なんとなく」という感覚のことであり、これを大切にしながら炙り出していきます。ワークをやり始めたら面白くなってきますよ。
下図の矢印のようにいろんな角度から各層にアプローチし、掘り下げ、深掘りし、各要素をあぶりだします。
下図に天命発見の手法を示しています。天命発見プログラムでは、各層にアクセスする各種ワークを用意しています。
この氷山モデルは、日常的に多くのケースに適用できると考えています。
そう考える理由は、私たちは、ややもすると表面的に生きている気がするからです。周りで起きていることも、日本社会で起きていることも、世界で起きていることも、私たちは出来事や現象に目を奪われるばかりで、何故それが起きているのかまで深掘りする時間もなく心の余裕がないまま生きています。仕事の仕方もしかり。上司から言われたことだけをやればいい、お客から注文の依頼があればそれをこなすばかりで、何故そうなのかという自問自答をすることが少ない。しかし、仕事をもっと創造的にもっと楽しく味わうためには、何故そうなのかという問いを二段、三段深掘りしてみると見える世界が異なってきます。つまり上司やお客に対して、より「役に立つ感」が増してくると思います。社会の問題もこの氷山モデルで紐解くとより「本質」が見えるようになってきます。そして、ミッション発見も全く同じアプローチです。自分の根っこや本質に迫るのにこの氷山モデルを使います。氷山モデルの活用の仕方も一緒に学んでいきましょう。人生観が変わるほどインパクトのあるビジネスモデルです。
下図は、ミッションを因数分解したものです。潜在意識下に潜むミッション動詞と先天的強みが6つの要素の中で最も大事と捉えています。最も深いところに隠れていてあぶり出しにくいという点とミッションや天命の根幹を成すものであるからです。それより上にある顕在意識に近いところでは、価値観、ビジョン、良心、試練という4つの要素があります。これらの6つの要素が明らかとなってミッションを形作ります。自分の場合、6つの要素は何だろうと興味津々になってきませんか?これを一旦押さえたら、自分軸がピタッと決まります。ブレません。
ここで「良心」は説明を要すると思われるので簡単に解説します。ステイーブン・コヴィー氏の『第8の習慣』によれば、「良心とは世間的な良心ではなく、うちなる神聖な良心であり、生得的で直覚的な知恵ですべての宗教や不朽の哲学が教える原理や自然の法則に含まれるものであり、本質的に道徳観念であり、意味あるものへそして貢献へと人を駆り立てるものであり、ビジョン・自制心・情熱を導く力であり、そして自己犠牲のことでもある」としています。当塾ではこの良心を「善なるこだわり」と「放っておけない人々」と因数分解して考えています。
天命の6つの要素の内、外周の4つをそれぞれさらに2つづつに分けています。価値観は「欲求群系」と「判断基準系」、良心は、「善なるこだわり」と「放っておけない人」、試練は、「天命発見への気づき」と「学び」、そしてビジョンは、「最高の過去」と「最高の未来」です。ミッション動詞が、ミッションの核であり、その周りを先天的強みが覆い、さらにその周りを8つの要素が覆う構図と考えています。さあ、自分自身を深掘りする旅に出て見ませんか?